エリック・シュミットいい話

元グーグルCEO エリック・シュミットが見初めた「ミスターAI」 元日本法人社長・村上憲郎 | Agenda note (アジェンダノート)

私が携わったのは主に第2世代のAIでしたから、最新の技術については知らないことも多々ありました。だから面接でも、そのことを正直に話したのです。

すると、シュミットは「実を言うと、私も知らないんだ」と。そして、こう続けました――「でも、少なくともお前は『わかったフリ』ができるだろう?」。グーグルはエンジニアが中心の会社ですから、上に立つ人間は、技術に関する知識がないことにはどうしてもリスペクトを得られません。

そうした中、さもすべて分かっているかのように話す私は、求める人材像に合致していたようです。その回答に驚きつつ「まあ、フリくらいはできる> か……」と納得して、入社が決まりました。

グーグル親会社アルファベット:エリック・シュミット氏が会長退任へ

葉村 真樹ボストンコンサルティンググループ パートナー&アソシエイト・ディレクター 2017年12月22日

Googleに入社して半年も経たない頃、今から10年ほど前、当時はGoogle Inc. CEOのエリックが日本法人を訪れた。私は期末レヴュー会議の端っこにたまたま座っているだけの身で、ただただ「生エリックだー」とドキドキしていただけなのを覚えている。

エリックはレヴューを終えると、とっとと次の国へと成田に向かったのだが、驚いたのはその後だ。まだ成田へ向かう途中のエリックからeメールが届いた。Googleカレンダーの会議出席者宛のメールだった。開封してみるとなんと "minutes"と書いてある。議事録だ!読んでみると、会議での議論が要点よくまとめられ、最後にはnext stepsとして誰がいつまでに何をしなければならないか、特にエリック自身が何をするかまでが簡潔に書かれた後、これで間違いはないか?抜け漏れはないか?と書かれている。

これには驚いた。Googleに入って最初かつ最大の衝撃と言って良い。それまで日本企業しか経験がなく、議事録とは下っ端が書いて、回覧して、修正依頼を受けて、関係者の承認を受けて、最終的に清書されたものが議事録として1週間後に配られるといったノリとは正反対のスピード感。こんなCEOの下だからこそ、ただの分からんちん研究者のお兄ちゃん達の会社をここまでに出来たのだと感服した。それを考えると自分はまだまだ足元にも及ばないなあと深く反省。あの時のことを思い出させてくれた記事に感謝。